平成30年 6月定例会 〇平成30年6月
井原市議会定例会会議録第3号・平成30年6月14日(木曜日) 議 事 日 程 午 前 1 0 時 開 議 第1
一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件 日程第1
一般質問 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時 開議
○副議長(惣台己吉君) 皆さんおはようございます。 ただいまのご出席は18名でございます。 これより本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1
一般質問
○副議長(惣台己吉君) 日程第1 昨日に引き続いて
一般質問を行います。 まず、10番
三宅文雄君。 〔10番
三宅文雄君登壇〕
◆10番(
三宅文雄君) 皆さんおはようございます。10番議員の
三宅文雄でございます。通告に従い、質問させていただきます。 まず最初の質問は、
都市計画道路の整備についてであります。 私は、平成26年2月議会において、今回の質問と同じような趣旨である
中心市街地における
都市基盤の整備についてと題して質問させていただきました。あれから4年以上経過し、
公共下水道の整備はかなり進展しましたけれども、
都市計画道路の整備についてはほとんど進んでいないような感じがいたします。 井原市においても、
人口減少問題や
地域経済活性化という大きな課題を乗り越えていくため、平成27年4月に
元気いばら創生戦略本部を立ち上げ、移住・定住を初め、数多くの経済・
雇用対策に取り組んでおられます。それらの事業をより効果的に進めていくためには、
中心市街地における
都市計画道路の整備は
公共下水道と同じように非常に重要な要素であろうと考えます。 そこでお伺いいたします。 昨年度、本市の最
上位計画である第7次
総合計画とともに2027年度を目標年次とした、井原市
都市計画マスタープランが策定され、
人口減少や
高齢化社会の到来が現実問題となり、地域の活力の低下が懸念されるなど、都市を取り巻く環境も大きく変化しています。本市における
地域防災及び
地域経済の発展、または
地域産業の振興を考えたとき、
中心市街地における
基盤整備は特に急務であると考えます。
都市計画道路の整備について現在までの
進捗状況及び今後の方針についてお伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。──市長。 〔市長
瀧本豊文君登壇〕
◎市長(
瀧本豊文君) 皆さんおはようございます。 それでは、10番
三宅議員さんのご質問にお答えをいたします。
都市計画道路の
進捗状況と今後の方針についてのご質問でございます。 本市の
都市計画道路は、昭和40年から55年にかけて
井原駅前通り線を初めとする16路線を計画決定しており、整備の
進捗状況につきましては現在7路線が完了し、7路線が整備途中、2路線が未整備となっております。 今後の
整備方針としましては、整備途中及び未
整備路線のうち国道、県道と重複している区間については
広域幹線道路整備の重要性からも、引き続き国、県に要望してまいります。その他の未
整備区間、路線につきましては、限られた財源の中で
事業効果を勘案しながら、実施可能かどうかを検討してまいりたいと考えております。 先ほど、
三宅議員さんも言われましたように、
人口減少や
高齢化社会の到来など、本市を取り巻く環境も大きく変化していることから、本市においても昨年度、井原市
都市計画マスタープランを策定し、将来に向けて持続可能な
都市づくりに取り組んでまいりますので、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) それでは、質問させていただきます。 このたび策定されました
都市計画マスタープランの中で、
都市計画道路の総延長32.36キロメートルで、18.31キロメートルが整備されていて整備率は約6割となっています。16路線のうち整備率100%が、先ほど市長も言われましたが7路線。ゼロ%、全く手つかずの路線が2路線あるというふうな説明があったかと思いますけれども、整備が進まなかった原因は何だというふうにお考えかお伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
建設部長。
◎
建設部長(
橋本良啓君) 整備が進まなかった理由といたしましては、
計画道路予定地内に家屋が連檐していることなど、多くの課題があったことから
事業着手に至っていない状況であります。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) ただいま部長から、
計画路線には住宅等が存在していて、買収等も難しいということでご答弁いただきました。 わからないんではないんですけれども、やはり目標を、
マスタープランを掲げておるわけですから進捗していくべきではないかなというふうに私は考えます。
都市計画道路の計画当初は、
社会経済の量的な拡大を目指して、長期的に必要なものであろうというふうなことで計画されたというふうに思います。しかしながら、先ほど申しましたけれども、
人口減少を初めとして、社会を取り巻く環境も大きく変化してきたという現実があります。このたび策定されました井原市
都市計画マスタープランの将来都市像では、「活力と豊かさを実感できる都市 いばら」ということを目指して、
都市計画の側面から
都市施設整備の方針や
土地利用の方針などが記載されております。本市の
都市計画行政がいよいよ動き出したという感じがいたしております。 そこで、市長にお伺いいたします。 冒頭申し上げましたけれども、本市における
ビッグプロジェクトである
公共下水道工事も完成に向けておおむねめどが立ったというふうに思います。これから先の時代の
キーワードである定住、あるいは移住を促進するためには、住環境の整備が非常に重要であります。特にその中でも、都市を形成している
中心市街地の
基盤整備は、未来への投資でもあり、地域に大きなインパクトを与えるものと考えております。その方策の一つとして、
区画整理事業を検討してみてはどうかというふうに思います。事業を実施することで
都市計画道路の整備も進み、住環境も飛躍的に向上するものと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君) 市長。
◎市長(
瀧本豊文君) 住環境、
区画整理の話に及んでおりますけれども、当然これからの
人口減少、
高齢社会到来、今の時代というのはそうしたことが大きな
キーワードとしてさまざまな課題が山積いたしております。そうした中で、井原市におきましても
総合戦略を平成28年2月に計画策定し、いかに歯どめをかけていくかという
取り組みをスタートいたしておるところでございます。 当然、
産業団地を含め、さらにはいわゆる
ソフト事業の展開も含めながら、さまざまな政策、施策を展開していく中で、
先ほど区画整理等々のお話も出ましたけれども、将来を見据えては研究していかなければならない問題でもあろうと思っておりますが、非常にこれも大きな課題でございますんで、研究はしていきたいというふうには思っておるところであります。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) ありがとうございました。これからの課題としてお考えいただければというふうに思います。
地域経済の活性化はもとより、
都市防災をも考慮して
都市計画道路の整備の促進を図っていただきますようお願いを申し上げまして、この質問を終わります。
○副議長(惣台己吉君) 10番
三宅文雄君。 〔10番
三宅文雄君登壇〕
◆10番(
三宅文雄君) 続いて、2番目の質問は
集落支援員制度についてであります。 「
広報いばら」5月号によりますと、井原市の人口は4万1,000人を割り込んで、いよいよ4万人台になってきたようであります。
人口減少が急ピッチで進んでいるという現状を改めて知らされたところであります。一方で、
高齢化率すなわち全人口に占める65歳以上の高齢者の割合も35.7%になったということで、特に市北部の美星町では46.2%、野上町では46.4%の
高齢化率となっております。 今後においては、
人口減少と同時に過疎となる集落、孤立した集落がますますふえていくことが予想されます。当然ながら支援を必要とする方々も飛躍的に増大していくものと思われます。行政においても、本腰を入れて
集落支援対策を講じるべきではないかと、私は考えます。 そこでお伺いいたします。
人口減少や高齢化が進む
過疎地域において、住民の
生活状況の把握や集落への目配りとしての巡回を行う制度として、平成20年度総務省において
集落支援員制度が創設されました。本市において、
集落支援員制度の導入を検討してみてはどうか、お伺いをいたします。
○副議長(惣台己吉君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。──市長。 〔市長
瀧本豊文君登壇〕
◎市長(
瀧本豊文君) 次に、
集落支援員の設置についてのご質問でございます。
集落支援員につきましては、
過疎地域等における
集落対策として地方自治体の委嘱により設置するもので、地域の実情に詳しく、
集落対策の推進に関して
ノウハウや知見を有した人材が対象となり得るものであります。
活動内容としましては、
市町村職員と連携をとり、集落を巡回し
状況把握等を行うものであります。具体的には、人口、世帯の動向、医療・
福祉サービスの
受給状況や
生活環境、農地、
公共施設などの
管理状況、
地域資源などについて地域を巡回して調査する
集落点検や、この点検結果を活用して
住民同士や住民と市町村の間で現状や課題、あるべき姿についての
話し合いを促進するなど、集落に根差した活動を行います。 本市におきましては、地域の皆さんが主体的に
まちづくりに取り組むための組織として、
地区まちづくり協議会の設立をいただいており、
住民ニーズを把握するための
アンケート調査やワークショップによる意見交換を通じて地域の課題を把握し、その解決に向けて、
買い物支援事業や
移住定住対策事業、
特産品開発事業などの
取り組みを展開しておられます。 なお、地域と行政との連携体制を強化するために、地域と行政のパイプ役となる
パートナーシップ推進員として、市職員を13小学校区に各2名配置しているところであります。 これらの事業を行うことにより、地域の実情に応じた問題解決に向けて、地域において
取り組みをいただいており、また行政との連絡も図られていると理解しておりますので、現在のところ
集落支援員の設置については考えておりません。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君)
集落支援員制度の導入を検討してみてはどうかという私の質問に対しまして、現在本市では協働の
まちづくりとか
パートナーシップ・
プロジェクト事業等の事業を既に行っており、現在は設置を考えていないとの答弁をいただきました。 それでは、この
集落支援員制度について何点かお伺いをいたします。 まず、平成20年度発足当時には、全国の自治体の
都道府県の段階では11の自治体が設置しております。
市町村数は66の自治体が設置しておりました。ところが、平成29年度のデータによりますと、
都道府県レベルでは3自治体。
市町村数は300の自治体が
集落支援制度を設置しております。全国の
市町村数は1,718あるかと思いますけれども、そのうちの約17.46%が設置している状況にあります。
制度創設から10年を経過いたしまして、
取り組みが
都道府県レベルから市町村に移行している様子がうかがえるところでございます。そして、
専任支援員という方が全国で1,195名、1
市町村当たりに直しますと約4名、兼任といわれる支援員の方が3,320名、1市当たり約11名設置されている状況にあります。 そこで、まず最初の質問でございますが、
岡山県内15市12町村ございますけれども、
集落支援員の
設置状況と
活動内容についてお伺いをいたします。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君) 県内の
集落支援員の
設置状況でございますが、4市2町1村で23名が専任として設置されておられます。その主な
活動内容といたしましては、集落への目配りとしての集落の巡回や
現状把握、また
話し合いの場の開催等の活動を行っておられます。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君)
岡山県内では4市2町1村、合計7自治体になろうかと思いますが、23名の
集落支援員が専任で設置されているとのご説明がありました。 それでは、
井笠地域の
集落支援員の
設置状況についてお伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君)
井笠地域の状況は、笠岡市に4名、浅口市に1名、矢掛町に7名が設置されておられます。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) ただいまの説明では、井原市と里庄町だけが
井笠地域では設置していないという状況にあろうかと思います。 それでは、この
集落支援制度の財源についてお伺いをいたします。
特別交付税で措置されていると思いますけれども、その内容についてはどういったものでしょうか、お伺いをいたします。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君)
三宅議員さんのおっしゃるとおり、
集落支援員に係る経費でございますが、これは
特別交付税で措置されることとなっております。その内容につきましては、専任の場合、
集落支援員1人当たり350万円を上限として、
特別交付税の対象となる経費の全額が措置されるものであります。なお、業務の兼任とされる場合は、40万円が上限となっております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) それでは、先ほどの答弁で、
岡山県内では委嘱されている全ての
集落支援員が専任というご説明をいただきました。最初に紹介させていただきましたが、全国的に見ると、兼任で委嘱されている
集落支援員が圧倒的に多いようでございます。兼任という方は、どのような役職の方が対象になるのでしょうか。お伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君)
集落支援員制度に兼任できる役職ということにつきましては、特に定められておりません。地域の実情に詳しく、
集落対策の推進に関しての
ノウハウ、知見を有した人材であれば、兼任が可能になっておるものでございます。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) 役職については制限が定められていないというふうなご説明をいただきました。また、地域の実情に詳しい方とかいろいろ言われましたけれども、兼任可能であるというふうな説明もいただきました。 先ほどの市長の答弁にもありましたように協働の
まちづくりが市内各地で盛んに行われております。多くの方々によって運営をされていると思います。協働の
まちづくりに携わっている方々との兼任はできるのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
市民生活部長。
◎
市民生活部長(
北村宗則君) 協働の
まちづくりに携わってる方々、各
地区まちづくり協議会に携わられてる方々の兼任についてのご質問と思いますけれども、
まちづくり協議会に携わっておられます
メンバーの方々を対象として市が委嘱すること自体は、制度上可能ではあると考えております。 しかしながら、この
集落支援員制度でございますが、これは市が主体となって集落に対する施策の検討を行うものであるというふうに解釈いたしております。そういった中で、一方で本市では、今まさに
地区まちづくり協議会が主体となりまして、地域の課題解決に向けた
取り組みを実施されております。そういった中で、地域の独自性を生かした事業を主体的に、積極的に展開いただいている現状にあるというふうに思っております。そういった中で、
まちづくり協議会の
メンバーを
集落支援員として市が委嘱するとした場合ですが、その方は従来と立場を変えまして、市職員と連携しながら
集落支援員として地域とかかわることが求められてくるというふうに思っております。そういうことになりますと、地域の主体性を阻む要因とならないよう十分に検討することが必要になってくるというふうに思っております。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) 先ほどの部長の答弁の中で、地域の主体性を阻むというふうな答弁があったと思いますけれども、もう少し具体的に、地域の主体性を阻むということはどういったことになるのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
市民生活部長。
◎
市民生活部長(
北村宗則君) 先ほども申し上げましたけれども、現在は各地区の
まちづくり協議会の皆さん、それぞれ自分たちで地域の実情を把握され、地域の課題、対応策等を考えて、いろんな事業を実施していただいております。そういう中で、この
集落支援員制度においては、市が
集落支援員として委嘱をいたしまして、市とともに地域の実情を調査したり、その結果を持って
まちづくりに取り組んでいくということであります。市としての考えがどうしても反映されやすくなるんではないかというようなことも考えられます。そういう意味で、現在は各地域でそれぞれまさに主体性を持って取り組まれておりますが、市とのかかわり方が変わってくるんじゃないかというようなことを危惧する一面があるということを申し上げました。
○副議長(惣台己吉君)
三宅文雄君。
◆10番(
三宅文雄君) ありがとうございました。るる答弁をいただきました。 繰り返しになりますけれども、
過疎地域を取り巻く環境は、急激な超
高齢化社会の到来で一段と厳しい状況に置かれております。
山間地域のみならず市内全域の重要な問題であり、
中心市街地においても
ひとり暮らし、
高齢者世帯がふえている状況にあります。 この
集落支援員制度は、過疎が進む自治体を支援しようと国によって創設された制度であることを冒頭でも述べさせていただきました。本市においても、制度の趣旨を十分ご理解いただき、検討の上、制度の導入が図られますようお願いを申し上げまして、この質問を終わります。 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(惣台己吉君) 次に、1番
妹尾文彦君。 〔1番
妹尾文彦君登壇〕
◆1番(
妹尾文彦君) 1番
妹尾文彦でございます。通告に従い、質問をいたします。 このたびは
田中美術館の
新館建設事業について伺いたいと思います。 今年度から
田中美術館、
市民ギャラリーを一体的に整備する
田中美術館新館建設事業に着手することになり、今年度は
設計業務委託料など2,257万1,000円が計上されています。
田中美術館といえば、まさに井原市の大きなシンボルの一つであります。 このたびの
建設事業をどのようなコンセプトで行うかは、井原市の文化の発展、魅力の発信に大きく関係するため、非常に重要なことであると考えます。 そこで、まずは
新館建設の経緯や今後の予定などについて3点伺います。 1つ目は、このたびの
田中美術館の
新館建設事業は、どのような経緯で行われることになったかについてです。 2つ目は、今後の予定はどうなっているかについてです。 3つ目は、今年度の
設計委託に関してはどのように行っていて、今はどの段階にあるかです。 以上、よろしくお願いいたします。
○副議長(惣台己吉君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。──教育長。 〔教育長
片山正樹君登壇〕
◎教育長(
片山正樹君) おはようございます。 それでは、1番
妹尾議員さんのご質問にお答えいたします。 まず、
田中美術館新館建設事業に至った経緯についてでございます。
田中美術館は、
近代彫刻界の巨匠、平
櫛田中先生の作品を保存展示し、長くその偉業をたたえるとともに本市の
文化向上に資するため、昭和44年に田中館として開館し、その後昭和48年には博物館法により登録され、
田中美術館と改称いたしました。また、昭和48年には現在の別館、昭和58年には新館が建設され、それ以降、旧田中館は
市民ギャラリーとして今日まで広く利用されているとこであります。 しかしながら、
田中美術館別館は建築後45年、
市民ギャラリーは建築後49年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいることや収蔵庫の不足、
バリアフリー化への対応を求められているなど、入館者や利用者にすぐれた芸術を鑑賞する機会の提供に支障が生じている現状がございます。 こうしたことから、今年度からスタートしている井原市第7次
総合計画前期基本計画の教育・
文化分野において、
文化活動の充実を掲げ、計画的に
田中美術館施設整備事業に取り組むこととし、平
櫛田中先生生誕150周年となる2022年度の完成を目指し、事業を開始いたしたところであります。 次に、今後の予定でございますが、今年度
基本設計を行い、2019年度から2020年度の2カ年で
詳細設計を、2021年度から2022年度にかけて
建設工事を行うことといたしております。 次に、今年度の
設計業務委託についてでございますが、現在のところ
新館建設企画提案の参加表明を5社から受けており、6月15日までに提出される提案書により
プロポーザル審査会を6月29日に行い、
基本設計業者を決定することといたしております。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 2022年度の平
櫛田中先生生誕150周年にあわせ、このたびの
新館建設が行われるということでした。また、今年度は
基本設計、来年度から再来年度には
詳細設計、2021年度から
解体工事、そして建設という予定であるということでした。そして、
プロポーザル方式で
設計業者の選定を行うということです。
プロポーザル方式というのは、主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中からすぐれた提案を行ったものを選定するという方式ですが、その
企画提案書の提出が6月15日までに行われ、審査会を6月29日に行うということです。 この
田中美術館の
新館建設事業には、市民の意見を聞き反映することも非常に重要であると考えます。そこで、市民の意見を聞く会というようなものはどのように行う予定であるのかを伺います。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) 市といたしましては、
設計業者が決まった後、
各種団体などの皆様にご意見をいただくことといたしております。どのような形で行うかは、今後検討してまいりたいと考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君)
プロポーザル方式で
設計業者が決まった後に、
各種団体の意見を聞くということでした。 今回この質問をさせていただいたのは、
プロポーザル方式で
設計業者を募集をする前に市民の意見を求めていただきたかったという思いもあってさせていただきました。
設計業者の募集をする前に市民の意見を聞いていれば、市民が何を望んでいるかがわかり、それを組み込むことを前提とした企画の提案をしていただくことができたのではないかと思ったからです。市としては考えがあってのこととは思いますが、私は先に市民の意見を聞くことが必要じゃなかったかと思っております。 次にお聞きしたいのは、6月15日までに現在参加表明している5社から
新館建設の企画書が提出されるとのことですが、これらの企画書の中身を市民の人に公開するというようなことはできないのでしょうか。どの内容に決定するかというのは審査会の皆さんであるのでしょうが、このようなものが提出されましたというようなことを公開することで、市民の関心も高まり、審査も
市民目線を踏まえたよりよいものになるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君)
企画提案書につきましては、
設計業者の選定を目的に提出を求めているものであり、提案いただいたデザイン等は著作権の問題がありますので、広く外部への公開は考えておりません。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 今回の目的が
設計業者の選定が目的であり、著作権の問題もあるということで、それはできないということでした。そうであれば、仕方がないことかと思います。 それでは、次の質問ですが、
設計業者が選定された後、
各種団体の意見を聞く会を設けるということですが、それはどのような形で行う予定なのでしょうか。 私は、
田中美術館、
市民ギャラリーの利用者はもとより、井原市文化協会、田中友の会、そして今後のインバウンドを考えたとき、国際交流協会の方々の意見なども必要だと考えております。具体的にはどのような人を対象に、何人程度でいつ、どれぐらいの期間をかけて、何回程度どのような形で
新館建設に関しての意見を聞く機会を設ける予定であるのかを伺います。 そして、ここが一番気になるところなんですが、
設計業者が決まった後でも、そこで出されたよい意見というのは、しっかり反映していただくことができるのでしょうか、伺います。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) 文化協会、
田中美術館友の会などの関係団体の皆様のご意見をお聞きしたいと考えておりますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、その方法につきましては今後検討していくことといたしております。いずれにいたしましても、より多くの方々に親しまれる
田中美術館にしていきたいと考えておりますので、関係団体の皆様からいただきましたご意見を可能な範囲で反映してまいりたいと考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君)
各種団体の方々の意見をどのような場を設けて行うかは、今後
設計業者決定後検討するということで、その場で出た意見に関しては可能な限りで反映していただけるとのことでした。できるだけ取り入れていただきたいと思います。
田中美術館は、今後の井原市民にとって重要な施設です。市民の意見をじっくり十分な時間をかけて幅広く聴取していただき、よりよい施設の建設を目指していただきたいと要望いたしまして、
新館建設の経緯や今後の予定などについての質問を終わります。
○副議長(惣台己吉君) 1番
妹尾文彦君。 〔1番
妹尾文彦君登壇〕
◆1番(
妹尾文彦君) 次に、事業内容について3点伺います。 1つ目は、
新館建設費の予算はどれくらいを見込んでいるのか。 2つ目は、新館の具体的な内容について決まっているものにはどんなものがあるのか。 3つ目は、このたびの
新館建設において、本市の考えているコンセプトは何かについて伺います。
○副議長(惣台己吉君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。──教育長。 〔教育長
片山正樹君登壇〕
◎教育長(
片山正樹君) 次に、
新館建設事業におけるコンセプト等についてのご質問でございます。 まず、
新館建設の予算につきましては、
新館建設企画提案業務仕様書により、既存建物の
解体工事費を含めて13億円を限度として提案を求めております。 次に、新館の具体的内容でありますが、このたびの計画では3階建ての本館以外を建てかえることとしており、企画提案業務仕様書では田中苑、市民会館等、周辺施設を一体として考慮したデザインとなるよう、
プロポーザル方式での提案を求めている段階であります。 次に、このたびの
新館建設のコンセプトについてでございますが、新
田中美術館は平
櫛田中先生の作品を保存展示し、長くその偉業を後世に伝えていくことはもとより、井原市のシンボルとしていつまでも市民に愛され、憩いの場となり、さらには日本最高の木彫作品を良好な展示環境で鑑賞ができるなど、国内外に誇れる美術館として整備してまいりたいと考えております。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 予算は解体も含め13億円を限度として行われるということです。また、具体的な施設の内容については現段階ではプロポーザルの提案を求めてる段階であるので、詳細はわからないと。また、コンセプトについては平
櫛田中先生の偉業を後世に伝えるという施設で、井原のシンボルとして、また市民の憩いの場となるような、そして国内外に誇れるような美術館にしたいということでした。 そこでまず、施設について伺います。 具体的な施設の内容は、まだ詳細が決まってないのでわからないということでしたが、現在多くの方が
市民ギャラリーを利用されています。このたびの
新館建設において、
市民ギャラリーはどのようになるのでしょうか。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) このたびの計画では、老朽化しております
市民ギャラリーも解体いたしまして、美術館と一体として整備することといたしております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君)
市民ギャラリーは美術館と一体として整備を行うとのことでした。 では、その新館で整備される
市民ギャラリーですが、以前より現在の
市民ギャラリーには利用者の方々からさまざまな要望があったと思います。このたびの新館に整備される
市民ギャラリーでは、広さや照明など、どのようなものになる予定であるのでしょうか、お伺いいたします。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) 現段階では詳細は決まっておりませんけれども、
市民ギャラリーの広さにつきましては現有程度の規模を確保したいと考えております。 照明につきましても当然のことながら、市民が創作した絵画や書道などの作品、それぞれに適した照明を整備していきたいと考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 広さに関しては詳細は不明であるけれども、現有程度の規模は確保すると。また、照明などには配慮し、作品がよい環境で展示できるスペースをつくるということでした。広さについても十分考慮いただき、照明、空調などにもしっかり配慮いただきまして、ぜひ作品がよい環境で展示できるスペースにしていただきたいと思います。 また、解体建設中は
市民ギャラリーが利用できないため、現在利用されている方が困ると思うのですが、解体建設中の
市民ギャラリーの代替場所についてはどこかお考えでしょうか、伺います。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君)
市民ギャラリーの代替えにつきましては、市民会館やアクティブライフ井原などが考えられますけれども、今後関係団体や関係部署と協議、検討する必要があると考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 市民会館やアクティブライフ井原が代替施設として考えられているようです。解体建設中で
市民ギャラリーが使えない間、代替施設でも今の
市民ギャラリーと同じように、しっかりとした環境で利用できるように取り計らっていただきたいと思います。 次に、収蔵庫について伺います。 先ほどの答弁では、施設の内容は提案を求めている段階であるので、具体的な内容はわからないということでありましたが、美術館ですから当然収蔵庫は備えられてると思います。美術館の目的の一つには、美術品の保管があります。また、
田中美術館では、絵画とは異なり彫刻という立体的なものが多く収蔵されているため、収蔵庫にはその分大きな広さが必要であると思います。 また、収蔵庫には美術品の保管に適した環境を維持する機能が必要になります。私も表具屋で、学芸員として古い美術品の修復に携わっていたので、収蔵庫のそういった機能がとても気になります。 そこで、このたびの
新館建設では、広さは十分確保されているのか、また美術品を保管するための機能はしっかり備わっているのかというのを伺います。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) 収蔵庫についてでございますが、現在の収蔵庫は既に手狭になっておりますことから、新たな美術館では作品の適正な保管管理ができる広さを確保するとともに、当然、温度、湿度に配慮したものとなるように考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 広さについては適正な保存管理ができる広さを確保し、温度、湿度にも配慮した保管機能が備わるとのことでした。 収蔵庫の機能で美術品の保存状態が変わってきます。美術品も重要な財産ですので、しっかり保管、管理していただきたいです。 次にコンセプトについてです。先ほどの答弁では、田中先生の偉業を後世に伝える施設で、井原のシンボルとして市民の憩いの場になるような、そして国内外に誇れるような美術館になるようにとのことでした。 私は、そのコンセプトの中の、市民の憩いの場になるということは特に重要であると考えております。最近の美術館というのは、以前の静かに芸術を鑑賞する場から、ふだんから目的がなくても人が集まるような、そしてみんながゆっくりくつろげるようなおしゃれな空間というものに変わってきています。また、今や
公共施設では、それ単体で一つの機能を担うものではなくなってきています。 井原市においても、
公共施設等総合管理計画が作成され、これからの
公共施設は統廃合、複合化、多機能化が求められています。今の
田中美術館は、目の前にきれいな田中苑があり、すぐ横に市民会館があることから、田中苑と市民会館を一体化したようなものにすることは、こうした観点からも重要であると考えます。市民会館の中からも悠々移動できるような通路をつくり、田中苑の庭園をゆっくり眺めることのできる落ちついた空間をつくり、散歩をする人や家族連れ、学生やカップルなどが日ごろから集まる、そのような市民の憩いの場が創出されることを望みます。そのためにも、遠くの景色が見渡せる大きな
ガラスの壁面や、ゆっくり休憩できるスペース、もしくはおしゃれなカフェなど、居心地のよい空間を提供することが必要ではないかと考えます。 そこで質問ですが、そう考えたときに、現在田中苑と
市民ギャラリー、市民会館の間にある市道というのは、その憩いの場の空間の妨げになっているように感じます。確かに舗装面はれんが張りで景観こそ損なってはいないのですが、そこを車が通れるというのは風情がないといいますか、落ちつかないように感じます。車両の通行を禁止するということはできないでしょうか。そうすれば、歩道との段差をなくして、芝生や木を植えて広い緑の憩いの空間を創出したり、市民会館の前の広場と合わせて野外のイベントホールとして活用を考えてみたりと、活用のアイデアにも幅が出てくるのではないかと思います。憩いの空間の創出や活用のスペースの創造のため、この市道を廃止してはどうでしょうか。市の考えを伺います。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) 市道の廃止についてのご質問でございますが、現在
田中美術館と田中苑の間を走る市道田中館通り線は、国道313号から市民会館東側の幹線道路を結び、
田中美術館、田中苑に面する連絡道としての役割を担っております。また、市民会館と田中苑は指定緊急避難場所となっているため、有事の際の避難経路として防災面でも不可欠な路線であり、本市といたしましては同路線の廃止は考えておりません。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 田中苑、市民会館、美術館に面していて連絡道となっており、また田中苑、市民会館が指定緊急避難場所になっているため、市道の廃止は考えていないとのことでした。 残念ですが、今後緊急避難の経路などを見直すときがありましたら、このような意見があったことも考慮に入れていただきたいと思います。 私はこの
田中美術館新館建設事業のポイントは、この事業を行うことによって井原市にどのような地域活性化の効果をもたらすかという点ではないかと思っています。市民の憩いの場としての施設をつくることは、この観点からも重要なことであると考えます。誰もが気軽に訪れる憩いの美術館、そのようなものになれば、井原市の新たな癒やしの空間が創出されることになり、日ごろから人が集まるようになります。日ごろから人が集まるようになれば人の流れができ、人の流れができると施設の周りのお店もにぎわいます。すると、自然とお店が集まり、さらに人も集まる。そうして地域活性化がなされていくのではないでしょうか。このように、これからの
公共施設事業は、補助金ではなく
公共施設の力で地域を活性化していく、公共性と市場性が一致するという考えのもとで進めていくことが重要になってくると考えます。 今回の
田中美術館の
新館建設事業も、このような効果が発揮できるよう進めていただきたいと思います。 次に、入館者数について伺います。 過去3年間の美術館の入館者数と、
新館建設後の入館者数の目標はどのくらいなのでしょうか、お伺いします。
○副議長(惣台己吉君)
教育次長。
◎
教育次長(
北村容子君) それではまず、過去3年間の入館者数について申し上げます。 平成27年度は1万2,741人、平成28年度は1万5,486人、平成29年度は1万3,032人となっております。 次に、
新館建設後の入館者数の目標につきましては、第7次
総合計画前期基本計画において2022年の
田中美術館の年間入館者数の目標値を1万6,500人といたしております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君)
妹尾文彦君。
◆1番(
妹尾文彦君) 平成27年度は1万2,741人、平成28年度は1万5,486人、平成29年度は1万3,032人ということで、2022年度の目標入館者数は前期基本計画においては1万6,500人ということでした。
新館建設を行っての効果がこれだけであるのは、少しさみしいという気がいたします。入館者に関しては、観光目的の入館者と学習目的の入館者の2つがあると思います。観光の面での入館者の増加を見込むためには、市外、県外、国外から見ても魅力あるものにすることが必要です。 そのためには、やはり何かに特化するのがよいのではないかと考えます。ほかの美術館と同じようなものを展示していたのでは、ほかの美術館の中に埋もれてしまいます。幸い平
櫛田中先生は、彫刻という特徴のある美術作品を残されています。それを生かした企画や展示を行える美術館を目指すべきであると私は考えます。 中国地方随一の彫刻の美術館と言われるような、いわゆる一つのものに特化し秀でた美術館にすることによって、外からの観光客にも選んでもらえるようなものになるのだと思います。特徴ある美術館というのは、それだけで来館者がふえます。例えば、広島のウッドワン美術館には麗子像という特徴ある所蔵品もありますが、カフェではマイセンのコーヒーカップでコーヒーをいただくことができます。そのような特徴でもよいのではないかと思います。 また、美術館もその内容を美術だけに終わらせることなく、井原の魅力発信の場としても活用することも考えてみてはどうでしょうか。デニム製品、ぶどう、明治ごんぼう、ワインなど、井原の特産品の販売所やでんちゅうくんグッズはここで全て買えるというような販売所を設けてもいいのではないかと思います。 総務省においても
公共施設のオープン・リノベーションの推進についての中で、美術館などではホワイエなどの空きスペースや通路を利用してセレクトショップやデザインショップ等の開設を支援し、20代から30代の女性が地域に居住しながら東京や世界のセンスに触れる空間(すてきな場所)を創造することを地域再生事業の例として挙げていますので、都会的なすてきな空間をつくることを考えてもいいかもしれません。 また、教育の面からも入館者数をふやすことも考えられます。これからの美術館では、ただ知識を深めるというものだけではなくワークショップという、ただ見に行くだけではなく何かしに、そういった美術館が求められています。このことに注目すれば、入館者数を増加させる工夫もできると考えます。例えば、島根県浜田市、ここは人口6万人弱なのですが、ここにある世界こども美術館というのは、その企画がすばらしく年間4万人から5万人の入館者が訪れます。このたびの新館の中にワークショップもできる多目的の部屋というのもぜひつくっていただき、新しい企画をどんどん発信し、教育の面での入館者数増加にもぜひ努めていただきたいと思います。 いずれにせよ、観光であれ教育であれ入館者数をふやす手だてはたくさん考えられると思います。せっかくの
新館建設でありますので、そういった企画や展示や販売ができやすい建物の内容にしていただいて、年間入館者数を3万人とか5万人とかぐらいを目指すようにしていただきたいと思います。 以上、
田中美術館の
新館建設について質問いたしましたが、この事業の成功の鍵はマーケティングではないかと私は思っています。少し前ですが、佐賀県の武雄市、人口ここは5万人弱なんですけれども、ここの図書館、ここはTSUTAYAで知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブを指定管理者としてオープンしまして、1年間で20億円にもなる経済効果が上がったそうです。先日、高梁でつくられた図書館も同じような系列のものなのですが、図書館ですので少し違うという面はあるでしょうが、この事業を成功に導いた一番重要な要因はオープン前に武雄市で徹底的にマーケティングをしたことだったそうです。この図書館にはスターバックスが入っており、開館当初の売り上げは全国第6位にもなったそうです。 しかし、この図書館は最初からスターバックスありきでつくられたわけではありません。市民アンケートなどの徹底的なマーケティングの結果、ふえてほしいサービスが圧倒的にカフェというものであったため、併設されることになったのです。 井原市においても、この事業を成功させるために、観光客や利用者や地域の人などに対し徹底的なマーケティング調査をしていただくことを望みます。そうすることでニーズがわかり、大きな成功に結びつくのではないかと考えます。 冒頭で話しました、ご答弁にもありました、
田中美術館というのは井原市のシンボルであります。しかし、この
新館建設がただの一美術館の
建設事業ということだけにとどまらず、井原市が地域一体となって発展していくための拠点をつくる事業、そうなるような大きな視点で行っていただきたいとお願い申し上げまして、私の全ての質問を終わります。
○副議長(惣台己吉君) 11時15分まで休憩いたします。 午前11時5分 休憩
~~~~~~~~~~~~~~~ 午前11時15分 再開
○副議長(惣台己吉君) 休憩を閉じて会議を再開します。 次に、2番 多賀信祥君。 〔2番 多賀信祥君登壇〕
◆2番(多賀信祥君) 2番、いばら月曜会の多賀信祥です。 通告いたしております内容3件について質問をさせていただきます。 まず、移住・定住施策についてですが、昨年9月の新聞報道では移住・定住に積極的に取り組んでいる自治体は約8割と、競争は実に激しいと言わざるを得ません。本市においても危機感を持って
人口減少問題に対しての移住・定住施策を実行されています。周知についても積極的に取り組まれていますが、その中で私が気づいた本市の課題について質問いたします。 私が考える課題は、施策の周知のチラシや移住・定住支援ポータルサイトの作成の仕方が全体を広く知ってもらうつくり方になっていることです。特に、移住・定住支援ポータルサイトは、井原市に対して興味を持ってもらわないと見てもらえないほか、ページを進めてもらえないのではないかと思っています。見ただけで興味を引き、さらに情報の中身を詳細に見てもらうための動機づけがなされていないと考えます。そして、それぞれの施策内容を見ると、ターゲットが絞られているにもかかわらず、明確にアピールできていないように感じます。 以上の観点から、本市が現在取り組んでいる移住・定住施策の具体的な事業の推進を踏まえ、概要について伺います。
○副議長(惣台己吉君) ただいまの質問に対する答弁を求めます。──市長。 〔市長
瀧本豊文君登壇〕
◎市長(
瀧本豊文君) それでは、2番 多賀議員さんの質問にお答えをいたします。 本市が現在取り組んでいる移住・定住施策の概要についてのお尋ねでございます。 まず、住宅取得に係る支援制度では、平成23年度から井原市住宅リフォーム補助金、24年度からいばらぐらし住宅新築補助金、28年度からいばらぐらし中古住宅活用補助金を設け、多くの方にご利用いただいております。 また、昨日西村議員さんにもご説明いたしましたが、本年度から新たに若者世帯、子育て世帯、移住者を応援するため、いばらぐらしスマイルプラス補助金を創設し、いばらぐらし住宅新築補助金、いばらぐらし中古住宅活用補助金の購入費補助に加算を行い、住宅取得に係る経費の補助について拡充しており、さらなる移住・定住の推進を図っているところでございます。 次に、元気いばらおいでんせ~事業として、移住希望者に実際に本市へ来ていただき、井原のことを知っていただく、いばらぐらしお試し住宅といばらぐらし体験ツアーがあります。 いばらぐらしお試し住宅につきましては、これまでの井原駅に隣接するアパートの1カ所に加え、本年4月から新たに芳井地区、美星地区へもそれぞれ1カ所を整備し、既にご利用いただいております。また、いばらぐらし体験ツアーにつきましては、移住に興味のある県外に居住の方を対象に平成28年度から行っており、本年度は7月に2回開催することとしております。このほかの
取り組みとして、地域おこし協力隊、空き家バンク制度の活用、首都圏での移住相談会への参加など、さまざまな移住・定住施策を推進しているところでございます。 いずれにいたしましても、移住・定住につながる施策はすぐに成果に結びつきにくいと言われていますが、これらの施策を継続的、積極的に展開し、本市への移住・定住につなげてまいりたいと考えております。
○副議長(惣台己吉君) 多賀信祥君。
◆2番(多賀信祥君) 本市の
取り組みについてご説明をいただきました。私の考えではありますが、移住・定住について井原のよさをしっかり伝えるべき対象グループは、まず井原で育つ子供たち、それから子育てしやすい環境を探している子育て世代、また新規就農を目指す方たち、それから仕事で定年を迎えて第2の人生の定住先を探されている方たちです。施策についてもおおむねそのようになっていると思います。 そこで、担当課として重点を置いている対象グループがあるかを伺います。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君) 移住を検討されている方々といいますのは、先ほど議員さんも紹介いただきましたように、田舎で伸び伸びと子育てをしたい方とか就農をしたい方、定年を迎えて第2の人生で定住先を探している方など、さまざまなケースの方がおられると思います。 本市では、そうしたそれぞれの目的あるいは幅広い年代の方に本市に興味を持っていただき、一人でも多くの方に移住してもらいたいというふうに考えております。その中でも、昨日も申し上げましたが、本年度いばらぐらしスマイルプラス補助金を創設し、若者世帯、子育て世帯への支援を拡充しておりますとおり、特に40歳未満の若い世帯、お子さんのいる世帯の方へ積極的にPRをしてまいりたいと考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君) 多賀信祥君。
◆2番(多賀信祥君) 冒頭に施策についてご説明をいただきましたが、実行されている
取り組みの中でアピールできる、強調できる本市の強みについて伺います。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君)
取り組みの中でアピールできる本市の強みということでございます。 移住・定住での本市の強みでございますが、まず子育て面でございます。保育園と幼稚園の保育料の軽減、それから幼稚園から中学校までの学校給食の提供、そして保育園の待機児童がゼロだということなど、他の市町村にも決して引けをとらない子育て環境が整っているというふうに思っております。 さらに、住宅新築、リフォーム、中古住宅活用といった住宅取得に関する補助に加えまして、スマイルプラス補助金を創設したことにより、本市には家を持つには手厚い制度が整っているというふうに思っております。 また、美しい星空、自然豊かな里山に囲まれている反面、買い物や通勤など交通のアクセスには恵まれており、田舎らしい生活もできながら便利というちょうどいい田舎、「ちょ田舎」という言い方をしておるんですけれども、ちょ田舎なまちでございます。 そして、年間を通じて気候が温暖で、地震や台風などの自然災害が少なく、安全・安心なまちであります。こうした一つ一つが本市の強みであるというふうに思っております。
○副議長(惣台己吉君) 多賀信祥君。
◆2番(多賀信祥君) ちょ田舎、すばらしい井原市を言い当てた呼び方だなあと思います。先ほど部長から若者世帯、それからまた子育てしやすい町ということが言われました。私自身この質問に立った理由というのは、近隣他市と比べて井原市の子育てについての施策は、職員の方が困るぐらい人が入ってきてもおかしくないぐらいの施策をされていると思います。ただ、数字的にはまだまだそれが出ていないのかなあと思って、課題を探ってこの質問を立てました。 先ほど本市の強みを聞きましたが、子育て世代のお母さんの何人かに質問をしました。まさに中学生まで医療費がかからないこと、第2子以降は保育料がかからないこと、そして中学生まで給食があること。また、学校に空調設備があることなども含め、近隣他市の方にうらやましがられるそうです。やはり、そういったよい施策を的確にターゲットに対してわかりやすく売り込むべきだと思います。 質問ですが、施策の周知はどのようにされているのか伺います。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君) 周知につきましては、従来どおり移住・定住の支援施策のチラシを移住相談会等で配布、あるいは住宅メーカー等での売り込み、さらには各種移住ポータルサイトへの掲載などで行っているとこでございます。今後も引き続きPRをしてまいりたいというふうに考えております。 さらに、本年1月に移住・定住支援ポータルサイトいばらぐらしをリニューアルいたしまして、働く、住む、子育てといったジャンルごとのページを設けるなど、また動画による紹介、こういったものを入れております。本市に興味を持っていただきやすいような内容にして情報発信もしているところでございます。 このほか、先月から移住者向けの情報誌ということで「いばらぐらし通信」というのを発行しております。創刊号では先輩移住者の体験談や移住ツアーの紹介などを掲載しております。今後も移住を考えておられる方の参考になるような情報を載せ、ちょっと不定期にはなるとは思いますが、新しい情報発信の手段として活用してまいりたいというふうに考えております。
○副議長(惣台己吉君) 多賀信祥君。
◆2番(多賀信祥君) ご説明いただきましたいばらぐらし通信、最近始められたということですが、新聞にも報道されていたように記憶をしております。 ここで、お手元にお配りをしている資料なんですが、このピンクのものと1枚物、表裏のものです。この質問について、この2つのものを使わせていただきたいと思います。 ピンクのものについては明石市のもので子育て世代に向けてのものです。かなり量が多いので抜粋をしております。比較広報と言うそうですが、冊子の途中からは近隣自治体との比較になっています。このチラシと別に情報を誘導していくわけですけど、インターネット上ではクリックをして別なページに飛ぶようになるんですけど、そういうものもあります。それについては近隣他市へのアクセスの所要時間など数字で示されていて、移住をするのに明石を知ってもらうための動機づけをされています。比較広報という面では、他市との関連で施策の情報が適時更新されない場合は偽りとなってしまうので、初めはわかりやすいと思ったんですが、日々他市の動向に注意が必要で、いろいろ考えるとそこまでやっていくことはかなり難しいのかなあと思っています。 それから、もう一つの1枚物は井原市のものです。これについては私が資料を作成した段階のものですので今現在の施策の内容とはちょっと違うと思いますが、内容についての参考資料ではなく、情報の出し方という意味でこの資料を使わせていただいています。お気づきだと思うんですが、明石市の資料、本市とほぼ同じような内容になっています。明石市の人口規模で中学生まで医療費がかからないというのは余り見ないですが、それでもなお全体を見ると、私自身感じたことは、本市のほうが進んでいたり、手厚いぐらいだと考えています。 本題ですけど、この明石市のものが情報を得ようとする方の興味をひくPR、井原市の場合は、その1枚物の中から自分が興味があるものを見てください、こういうようなつくりだと私自身思っています。 移住・定住支援ポータルサイトいばらぐらしのほうは、現状このチラシのようにポータルサイトに入った後に、見る人が興味があるトピックスに進んでいく仕組みになっています。この方法だと井原市ファンの人、非常に興味がある人だけが活用することが前提だと考えます。つまり、井原市に興味がある人が、「井原市」とか「いばらぐらし」とインターネット検索しなければたどり着かないということです。 ですので、先ほどから申し上げているように、ターゲットごとにまずはわかりやすいPR、明石市のようにたくさんある中の知ってほしい強みを3つ、4つ挙げて目を引く、そういう広報ができないのか。ポータルサイトへの入り口をターゲットごとに興味を引くアピールのあるトップページにできないかと私自身考えました。 そこで、質問ですが、移住希望者が井原市の移住施策の情報、それぞれ興味のある情報を得るため、より効果的な誘導方法が実施できないか、それについて伺います。
○副議長(惣台己吉君)
未来創造部長。
◎
未来創造部長(
妹尾光朗君) 本市の移住・定住につきましては、議員さんから紹介いただいたように、制度を一覧にしたこういったチラシ、それとポータルサイトいばらぐらしにより紹介をしているところでございます。 ご指摘のとおり、検索で井原市という形で入力しなければ、なかなかいばらぐらしのポータルサイトのページのほうにたどり着けないのかなということは十分認識はしてるところでございます。検索サイトで井原市を上位に表示させるということは技術的にもお金の面でもかなり難しいのかなというふうに考えておりまして、やはり興味をひくページづくりということが現段階では最良だというふうに考えております。 そのために、多賀議員さんから紹介をいただいたことも参考にしながら、実はこのたび関心を持ってもらえるようなページを新たに作成をしまして、井原市のホームページのトップ画面にバナーあるいは注目情報として掲載をしたところでございます。 ちょっと紹介しますと、このページは「いばらぐらし〔ココがいい!〕」としまして、子育て、ちょ田舎、家を建てる、安全・安心の4つに分けまして、井原市の強みを紹介しておりまして、見られた方が興味を持っていただければいばらぐらしのサイトへ誘導するようにしておりまして、利用状況も見ながら当面はこういった誘導方法でやってまいりたいというふうに考えております。 さらには、市のホームページにとどまらず、国や県の移住ポータルサイトも大いに活用して、今まで以上に全国に魅力的な情報発信を行いながら、一人でも多くの方を井原市のこのサイトへ誘導してまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○副議長(惣台己吉君) 多賀信祥君。
◆2番(多賀信祥君) 早速試験的に取り組んでいただいてるとのことで非常に期待をしております。私自身委員会で視察に行かせていただいた自治体、また個人でも近隣他市と比較をしてみました。多少色は違うんですけど、本市の施策は、先ほども言いましたが、他市に比べて決して引けをとるものではないと思います。比較広報は無理にしても、わかりやすく伝える工夫、そして住んでいる方たちにもまずはわかっていただいて、それをお知り合いにPRしてもらえるぐらいぱっと見てわかるほどに強みを整理して、さらに工夫をして周知していただきたいと思います。今回はこのことをテーマにして質問させていただきました。 そして、先ほど部長から言われました試験的に実施をされているものも拝見をしました。イメージどおりでわかりやすく興味をひく仕掛けで非常によいと思うんですが、今、字で、先ほどバナーと言われたんですけど、そこをクリックしないと見れないんです。一番上に画像が流れていくんですけど、個人的にはあそこでもいいのかなと思っています。というのも、今井原市にとって
人口減少問題というのが多分一番大きな問題で、それに力を入れるべきだと思います。明石市については「笑顔のタネあかし」という別なページを持っているわけですけれども、井原市については井原市のホームページに一括しておりますから、なかなかそこで目立つようにということは難しいんだと思うんですけど、個人的には一番上でもいいのかなあと思っています。 移住・定住ということで、別の観点からではありますが、最後に2点考えを述べさせていただきます。 1つ目は、途中で述べました、いばらで育った子供に対する
取り組みを考えていただきたいと思います。例えば、ある自治体では故郷を思い出してほしいということで、故郷の四季の風景、季節の催しなどをDVDにおさめて成人式の際に記念品としたそうです。本市でもこの春の成人式でいばらぐらしのQRコードを紙媒体で郵送をされたと聞きました。そういったことを含めてUターンを意識した
取り組みを実行していただきたいと思います。 2つ目は、今回の質問は子育て世代をターゲットにしたものでした。このように今実行されている施策は市街地地域には必ず有効だと思います。ただ、井原市には芳井地区、美星地区があります。その2地区に加えて、
都市計画マスタープランで示されている井原北部地域については、現在の施策ではこれらの地区に対しては弱い気がしています。この地区については全体での流入人口を見るだけではなくて、考え方を別にして、プラン、ストーリーも全く別で取り組んでいただきたいと思います。 委員会視察で高梁市、久米南町、2つの自治体に視察に行って感じたことがあります。そちらは新規就農ということを、移住・定住の施策をそれに絞ってと言っていいぐらいやられていました。この井原市についても芳井町、美星町については、もし合併をしなければそのような道をたどられていたのかなあと想像いたしました。ですので、流入人口の考え方として井原市全体で見るのではなく、山間部には別の目標値を持って将来を見据えて取り組んでいくべきだと考えます。山間部の地域に焦点を当てて実行していこうとするとやるべきことも多岐にわたると考えますが、今の井原市にはその
取り組みが重要であり必要であると思いますので、そのことを言い添えてこの質問を終わります。
○副議長(惣台己吉君) 2番 多賀信祥君。 〔2番 多賀信祥君登壇〕
◆2番(多賀信祥君) 次に、リフレッシュ公園、静のゾーンについて伺います。 リフレッシュ公園、静のゾーンの利用者の方から、設置されている遊具が幼児にとって使いにくいというご意見をいただきました。私なりに調査を進めていくうちに幾つか課題に気がつきましたので、次の点について質問いたします。 1つ目は、幼児が遊べる遊具が少なく、小学生などと同じ遊具を使うことが前提になっているため使いづらいと感じますが、公園が整備された当初の計画ではどのような利用者を見込んで設計されたかを伺います。 2つ目は、子供連れの家族が利用の際、保護者が見守りをするには地形に起伏があり、けがやハプニングに対しての視認性が悪いと感じます。また、駐車場からふれあい広場までの距離が遠く、移動にかなりの時間を割かなければならない状況であると感じます。今後このような問題を改善される予定があるか伺います。